- 主に車査定中に見ているのは、大きな事故がないかどうかと走行距離などに不備がないか
- 実は洗車をすることは高く売るために必要な行為ではない
- 高く売るための準備は「役所の書類を用意」「荷物を降ろす」「相見積もりをする」が重要!
車を売るときにはどの点を業者に見られるのかは気になりますよね?
良くあるのは洗車をすべきかどうか?という点で、きれいに車を使っていることのアピールにつながるという考え方です。
でも、実際には車をきれいに使っているかはそれほど大きな影響はなく、車買取業者として見るべきポイントはもう少しシンプルです。
こちらでは、車を高く売るためにできる準備として車査定中にどこを見ているのかを簡単に説明して、その対策も解説していきますので参考にしてもらえると幸いです。
車査定中に見るところ
車査定中に見るところは修復歴車の判別です。
このことは、車買取業者が車を判別するうえで最も重要であり、かつ価格に影響するからです。
そのため、一般に言われる車が事故車か事故車でないかを判別することが最重要課題となりますので、車査定中に見る場所はやはり事故の損傷が大きいかどうかというわけになります。
また一般の車オーナーが行うことは珍しいですが、走行距離の改変などが行われていないかを確認すること、車体色やグレードなど事前情報と同じ条件なのかといった部分も確認して、業者オークションでの成り行き相場や店売りする場合には市場価格と問い合わせて、車査定額の上限を決めます。
このように、業者オークションや市場価格など車の買取を行ったあとに売る市場の相場でしっかり一致する車なのかを確認することが、車買取業者が車査定中に最も重視してみる部分になります。
したがって、車を大事に乗っていることや車を購入したり売る動機などはアピールしても意味がないことが分かりますね。
修復歴があるか見るポイントとは
修復歴車の場合には大きな事故を経験することになるために、全てを発見できるわけではありませんが破損個所を確認するのはそれほど難しくはありません。
一番わかりやすいのエンジンブロックと居住ブロックのつなぎ目部分など、最も負荷がかかる部分について修復した跡がないかどうかという点です。
また、骨組みがよじれてしまった場合には「ロッカーパネル」というサイドドアの下部分にフレームを固定できる箇所があるので、その部分をつかんでいないか確認することを行います。
あわせて、骨組みがよじれるほどの大きな事故では窓ガラスを破損することが多いために、窓ガラスの交換履歴を見ることがあります。
通常は窓ガラスブランドが左右同じブランドで統一されることがほとんどであり、これが違うことで事故があったかどうかを判別することが可能になります。
また、窓ガラスには製造年月が業者などの一部人間にわかる刻印があるので、同じブランドでも製造年月が異なる場合は事故があったことを疑います。
あわせて、軽微な事故でも修復歴車となるケースがあり、例えばトランクルームを少しつぶしてしまった場合や縁石に乗り上げた場合も修復歴車です。
なぜ修復歴があるとダメ?
車の修復歴はほとんどの場合に半永久的に修理することが出来ません。
というのも、乗用車のほとんどは車の骨組みはモノコック構造の場合に車全体で支えているため、一部が損傷するとその損傷を完全に修復することが出来ないからです。
車の骨組みは「ラダー構造」と「モノコック構造」があります。
軍用車やトラックなどの場合にはラダー構造が採用されることが多く、梯子上の骨組みの上に居住スペースやエンジンブロックなどが乗るため、メンテナンス性や耐久性に優れますが、重量増加や振動などで不利になります。
反面、現在の乗用車においてはモノコック構造が採用され、車全体が骨組みになっていて車両重量が軽量化され振動などが少なくなりますが、耐久性やメンテナンス性に劣ります。モノコック構造のイメージとしては卵の殻のようになっていて、卵の殻同様に一部が損傷すると完全な修復は困難になります。
一般に中古車で事故車が嫌がられるのはこのためであり、モノコック構造は一度大きな損傷があれば修復ができないことで、修復歴があることは車価値の低下に半永久的な影響を及ぼします。
事故車と修復歴車の違い
ところで事故車と修復歴車の違いは意外にも区別されていません。
事故車とは事故を経験している車のことを指し、また事故現状車とは事故をしたまま修理していない車になります。
この損傷が車の骨組みまで及んだ場合には「修復歴車」となり、一般にいう事故車となってしまいます。
つまりは、修復歴車は事故車の中に含まれる概念であり、事故車であっても損傷が骨組みまで及んでいない場合には修復歴車にはならないという違いがあります。
前オーナーの事故が判明!どうなる?
車査定を依頼した車が中古で購入した場合、前オーナーが修復歴を発生させる事故があった場合に、それを現在のオーナーが知らなかったとしたら、どういった問題になるのかといえば、当然車は修復歴車であるという事実は変わりません。
そのことについて修復歴車を隠したと追及されたとしても仕方ない面もありますので、その関係については簡単な弁解をしておくことで問題ありません。
とはいえ、残念ながら修復歴車である事実は変わらないために、もし損害賠償請求をする場合には購入した中古車屋に対して修復歴車の事実を隠して売ったことを証明することが必要になるでしょう。
もちろん、これから車を売るという段階において面倒が生じるために、請求できる金額を考えたうえで損害賠償請求をするか決めることになります。
車を高く売るための準備
ここまで説明してきたように車査定中に見るところは修復歴車かどうかを判別するなど、業者オークションや市場価格と違うものを勘違いして購入しないように注意するということが主な部分でした。
ということは、車オーナーが車を高く売るために準備はほとんどなく、仮に修復歴車であった場合にこれを隠して売るぐらいしか高く売る準備はできないように思えます。
もちろん、修復歴を隠して車を売ることは望ましいことではなく、多くの場合に看過されて査定士の信頼を損ねるので、修復歴を隠すなど虚偽の報告をすることは得になりません。
修復歴がある車を分かっていながら修復歴なしとして売却した場合には、後に業者から損害賠償請求をされる可能性があります。
また修復歴がある車かどうかを知っているかどうか、つまり善意か悪意か問わずに損害賠償請求されるために、逆に言えば買取業者の誤謬(ごびゅう:欠陥を誤って看過してしまうこと)が無いようにお願いしたいところですが完全には難しい状況です。
一部業者でクレームガードという保険制度もありますが、保険利用の是非はおいといて車オーナーも査定士も双方に信用に欠く行為は避けるべきです。
では、車を売るために重要な準備というのは、具体的に車をすぐに引き渡せる準備となります。
このことが良く作用するのは、車をすぐに引き渡せることは業者利益に影響を及ばすからであり、実際に売ってくれるか分からない車オーナーよりも車を売ることが確かめられる車オーナーを良くみてくれるのは、逆の立場ならば明らかですね。
したがって、買取金額は業者とあなたで利益対立しているために譲れませんが、すぐに引き渡しができるという状態を見てわかるようにしておくことは、業者が積極的に査定額を付ける理由になるわけです。
そのために特に重視しておいてほしいのは「取得が面倒な書類は事前にそろえておくこと」「荷物を整理しておくこと」が重要です。
書類はそろえておく
車を売るための書類は、役所で必要になる書類以外はすでに揃っている場合がほとんどです。
- 車検証
- 自賠責保険証
- リサイクル券(実はあってもなくてもOK)
- 自動車税納税証明書
- 印鑑証明書
- 実印
- 住民票と戸籍謄本(住所と氏名が車検証と異なる場合)
車売却に必要な書類は上に挙げた7つ以外にも「譲渡証明書」と「委任状」が必要になりますが、車買取業者に引き渡す場合には、ほとんどの場合に業者が用意してくれるのであなたが集める必要はありません。
これらの中で、印鑑証明書と住民票や戸籍謄本など、役所で発行が必要な書類が事前に取得しておくべき書類です。
多くの場合にこの役所関連の書類は後で取得することになるので、車買取業者としてもそれは後から得るものとなってしまいますが、書類がそろっている場合にはすぐに引き渡すことも可能であり、そういった場合には業者も売れ筋の車でなくても買取に力を入れてくれます。
また、業者とタイミング次第では無料で代車などの手配も依頼できるために、車利用を予定していてすぐに車を引き渡すことが出来ない場合も対応できることも知っておきましょう。
荷物は整理しておく理由
荷物の整理も書類同様の理由で、車をすぐ引き渡すことが出来ることを、実質的に主張するためです。
というのも、高く買うならばすぐに引き渡すことが可能といっても、荷物が大量に積まれている状態では、当たり前ですがそれを降ろす必要があるために、主張の一貫性が乏しいものになり、主張の裏付けとなる信用を損なってしまいます。
つまり、すぐに車を引き渡すということを主張することは目で見てわかるようにしておく必要があるため、意外に忘れがちですが荷物の整理はしておくようにしてください。
洗車は必要?⇒ほどほどでOK!
最後に車を高く売るために洗車は必要なのか?という疑問はありますが、これはほどほどで問題ありませんし、洗車機などに持っていく必要もありません。
あまりにも車が汚い場合にはマナーとして汚れを拭いておくほどで問題なく、洗車をしたから査定が上がらないことは、その点で業者オークションや市場価格が変動しないことで明らかですね。
つまりは、査定士の気持ちに若干の影響はあるようですが(知人の査定士はきれいだとちょっと優遇するかも・・・と言っていたため)、基本的に車の売値が良くなることは心象など気持ち程度のものと判断してよく、マナーとしてきれいにしておく程度で問題ありません。
車査定中に見るところ:まとめ
車査定中に見るところは、業者オークションや市場で取引されている車の属性と突き合わせるために行う確認箇所であり、一番の大きな点は修復歴の有無を確認することでした。
車オーナーとして出来る準備は虚偽の報告をしないことぐらいであり、この点で車を高く売ることについて出来ることはありません。
このように車オーナーの努力で洗車をしても車の評価を上げることは出来ませんが、車買取業者が積極的に車査定額を付けることを支援することは可能でした。
これは車をすぐに引き渡せることで、言い方は悪いですが冷やかし客でないということを実質的にアピールすることが可能になり、買取業者としても優良な取引相手であるということを認識させることが出来ます。
そのために必要なのは役所で必要になる印鑑証明書や必要に応じて住民票や戸籍謄本を取得しておくことになります。
あわせて車に積んである荷物を降ろしておくことで、すぐに車を引き渡せるという主張の信頼性を損なうことなく、一貫した主張を表明することが可能になります。
以上を参考にしたうえで、相見積もりをして車を安売りすることなく高く売るように役立ててください。